毛皮工房のリメイク
毛皮は再利用できる素材です。
有効に再利用するためには留意すべき点があります。毛皮工房のリメイクについての考え方をご説明します。
毛皮工房では、リメイクに際し、まず、コートなどの裏地を剥がし、接着芯などリメイクに不要なものを除去し、お預かりした毛皮製品を毛皮のプレート状に整えます。
そのうえで、毛皮のファーとスキンの両面からクリーニングを施します。
デザインを変える前に、素材そのものをリフレッシュします。
>>事前クリーニングのデメリットと対策について
例えば、毛皮の状態が悪く臭いも強い場合などは原則リメイクをお断りします。
リメイクに使える場所が少なく、素敵なアイテムにはならない可能性があるからです。
その場合でも、例えばお母様の形見で何とかしたいなどのご要望があれば、限られた条件の中で、出来る限りご満足いただける方法をご提案いたします。
最近の状況では、概ね3着のうち1着程度はお断りしています。
また、リメイクの際に一番留意することは、毛皮が足らなくなるということです。
前述した通り、毛皮が今より高額の時代のコートは、ロングであっても、実は面積がそれほど大きくありません。
今のデザインは例えば襟が大きかったり袖が広がっていたり、見た目よりも面積が必要になります。
毛皮の状態が不安な際には、まず、クリーニングだけをし、使用出来る概ねの面積を確認し、その後にデザインを決めさせていただくこともございます。
リメイクはあくまでリメイクです。
新しい最高の原皮で作ったアイテムには勝てません。
テクニックできれいに縫製することはできますが、古い素材を新しくすることは出来ません。
クリーニングで状態は大きく改善できても、新品同様になるわけではありません。
毛皮工房には、古いデッドストックの毛皮でつくった各種リメイクサンプルがあります。
当然サンプルのパターンは揃っていますので、その中からお選びいただきます。
そうすることで、新規にパターンを製作するコストを省くことができます。
サンプルをご覧いただいたり、ご試着いただければ、出来上がりがイメージできます。
「このサンプルよりも、綺麗に仕上がる」とか「少し荒くなります」とか、経験上、想定できる範囲で、率直にご案内させていただきます。
また、毛皮工房は、新作の製品そのものも国内で縫製していますので、リメイクのサンプルがなくても、店内にある日本製のアイテムであれば、パターンがございます。
リメイクでは、多少の妥協をしつつ、リメイク対象の素材を活かした、必ずご活用いただけるアイテムを、出来る限り手頃な価格でお作りされることをお勧めしています。
とはいえ、裏地もお選びいただけます。
キュプラが基本になりますが、在庫があるものであれば、追加料金なしで各種柄物もお選びいただけます。
高額なシルクなども実費で使用できます。
サイズも可能な範囲で変更可能です。
サイズ変更は追加料金無しで承ります。
デザイン変更については、ケースバイケースで、費用も生じますので、ご相談ください。
デザインにも拘り、コストをかけお作りするのは、新しい原皮でいかがでしょうか。
原皮も当時よりはお安くなっています。
また、工房には多種多様な原皮がそろっており、実物からお選びいただけます。
毛皮の状態は勿論ですが、お客様のご要望により、例えば同じ形でも、毛皮を縦にするか横にするかでも作業内容が異なり費用も異なります。
究極、素材や、お客様の要望により、加工する職人や、使用するミシンも異なります。
毛皮職人の中でも、それぞれ得意分野は異なります。
ご不明な点があれば、何でもお気軽にお尋ねください。
お時間の許す限り、丁寧にご説明させていただきます。
費用は各サンプルに明記されていますが、着手前に契約書で作業内容と金額を必ずご確認いただき、明記させていただきます。
コストダウンができる可能性がある場合は、〇〇円以内とさせていただき、工場にてコストダウンに取り組ませていただきます。
剥がした裏地や余った毛皮は全てご返却します。
裏地については、処分をご要望の場合は弊社で処分します。
余った毛皮については、これを機に、ご自分で小物を作ってみてはいかがでしょうか。
工房には専門のミシンがなくても手縫いで作れる小さなアイテムが沢山あります。
時間が許す限り、作り方もご案内しますし、パターンがあるものは差し上げます。
三角針や糸も取り揃えています。
経験のない方でも作れるアイテムもございます。
裏地の処分は承りますが、毛皮の処分は原則承っておりません。
失敗してもともと。もし、素敵なアイテムが出来ましたら、是非、ファークラフトコンテストにご応募下さい。